たまりば

芸術・創作 芸術・創作日野市 日野市

ブックカバーチャレンジ六日目

◼️ブックカバーチャレンジ六日目「ら抜きの殺意」◼️
ブックカバーチャレンジ六日目
明日でラストのブックカバーチャレンジ。
明日載せる本は決めているので、今日の本を何にするかは、とても悩みました。
日野市に住んでいますし、役者としてもちょいちょい縁があった新撰組にちなんで「新撰組血風録」とか、それこそ賢こぶってシェイクスピアやチェーホフとか考えたのですが。
やめました。
だって今日は暑い。
こんな日に暑苦しい事を長々といきがって書いた所で、後に赤面して燃やしたくなるだろうし。
本棚を前に、これまで関わってきた台本の数々を眺めていたら、日本には逆立ちしても手の届かない名作が沢山あるという私なりの結論を思い出しましたし。
私は、ありがたい事に10代~結婚直前の20代後半まで多くの偉大な作家さんの芝居に取り組む機会がありました。
坂手洋二さん、井上ひさしさん、清水邦夫さん、小山祐士さん、別役実さん、鴻上尚史さん、堤泰之さん。その中でも、特段、自分の中でも忘れる事の出来ない戯曲が、この永井愛さんの「ら抜きの殺意」です。

・ら抜き言葉
・れ足す言葉
・さ入れ言葉
・尊敬語・謙譲語・丁寧語
・女言葉
・ジェンダー
・コギャル言葉
・カタカナ語
・方言
・ことわざ

私達が何気なく日々、使っている言葉を題材にした本。
言葉は、その人を表すが、時代と共に変化もする。
あらゆる言葉が氾濫する中、果たして自分はとびっきりの言葉で相手に喋る事が出来ているだろうか。

芝居のイロハを教わった演出家と、信頼し尊敬する共演者と共に自信を持って挑んだ舞台で、一分に一回は巻き起こる客席からの笑いにそれは手応えを感じた本番だったのですが、同時に見直し、反省すればする程、いかにその骨太な作品の魅力に自分が存在させてもらっていたかを痛感した舞台でもありました。

~さまざまに研究し、調整を重ね、やっと到達した現在の言葉づかいは、私のアイデンティティーである。この言葉は私の生き方を示し、私の人間観を示している。言葉ってのは、その場を切り抜けるための方便ではないし、ただの伝達の手段でもないのだ~
ああ何て格好いい台詞なんでしょ。初老で男言葉しか使わない女社長が、とっちらかった女言葉を使う営業の女に投げる言葉です。
これも、人と関わる覚悟を持った彼女なりの言葉のプレゼントかと、今は思います。

追記
そういえば、昨日ヤングな知人から「ピエン」ってLINEが入ったのですが、よく分からなかったなぁ…
----------------------------------------------
「7日間ブックカバーチャレンジ」
◎「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもの。
ルール①「本についての説明はナシで表紙画像だけアップ」&その都度1人のFB友達を招待しこのチャレンジへの参加をお願いする
ルール② スルーOK&次の人を指名するかどうかも気分次第でOK
◎上記のようなものですが、あくまで気楽な「遊び」なのでゆるく楽しんでいただければ。
----------------------------------------------



  • 2020年05月17日 Posted byIKUMI at 20:56 │日常voice